画材の色名事典(茶系統・その48)
2008 / 04 / 10 ( Thu )
ITALIAN EARTH
イタリアンアース(ITALIAN EARTH)
ブロックス油絵具(BX)
平たく言えば、「イタリア産の土で作られた茶色」の意味。
しかしイタリア産と言えば、シェンナ、アンバー(ウンブリア)等の種類に分けられます。
その色調や、ブロックス油絵具にローシェンナと言う色名が存在しない事から、
この場合は恐らく、ローシェンナの別称と思われます。

CINNABAR YELLOW BROWN
シナバーイエローブラウン(CINNABAR YELLOW BROWN)
オイルパステル(SN)
シナバー(ciinabar)は辰砂の事。そしてこの辰砂はバーミリオンを意味します。
この色になぜバーミリオンの名称が付くのかは諸説がありますが、
本当の事はまだわかっていません。
ひょっとしたら、バーミリオンの中でも真っ赤なのは少量で、
残りは灰緑や黄褐色だからかも知れません。
色名はその辰砂の黄色の中でも、茶色寄りである事を意味します。

DRAGON'S BLOOD
ドラゴンズブラッド(DRAGON'S BLOOD)
マイメリブルー(MM)
RPGには欠かせない(?)、ドラゴンの血の色はこうではないかというイメージ色。
しかしその色合いは、半透明のクセのない赤茶色です。
おさらいまでにドラゴン(dragon)は、西洋での伝説上の生き物(竜)で、
鋭い爪とコウモリに似た翼を持ち、火を吐くのが特徴とされています。
その様子(あくまで想像)から転じて、気性の激しい人物(特に女性)の事を
指す様にもなっています。
ちなみにドラゴンとは元々はギリシャ語で、「巨大な蛇」の意味だそうです。

LIGHT RED
ライトレッド(LIGHT RED)
専門家用油絵具(HL)、ブロックス油絵具(BX)、他
平たく訳せば、「明るい赤」。
しかしこの場合は、古来から存在する赤土の顔料の色を指します。
メーカーによっては、ほとんど赤系統の色だったり、明らかに茶系統の色だったりします。

LIGHT RED BRIGHT
ライトレッドブライト(LIGHT RED BRIGHT)
専門家用油絵具 アクリラガッシュ(以上、HL)
先述のライトレッドの中でも、ひときわ輝く(=bright)様に明るい赤茶色の事。
オレンジ色一歩手前の、鮮やかな赤茶色です。
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画材の色名事典(オレンジ系統・その26)
2007 / 12 / 13 ( Thu )
VIVID ORANGE
ヴィヴィッドオレンジ(VIVID ORANGE)
XL習作用油絵具(PB)
ヴィヴィッド(vivid)は鮮やか、の意味。色彩学の世界においては濁りの無い純色の色調を指します。
XLのヴィヴィッドカラー5色の中の1色で、その名の通りの鮮やかなオレンジ色です。
とは言え、蛍光顔料を含んでいない為、まずまずの耐光性を持っています。

ROWNEY ORANGE
ラウニーオレンジ(ROWNEY ORANGE)
アクアファイン(RW)
メーカー名であるラウニー(Rowney)が頭に付いていると言う事は、紛れもなく合成顔料で作られています。
やや黄味がかった透明なオレンジ色で、安全なだけでなく、かなりの耐光性を持っています。

VIVID ORANGE
リフレックスオレンジ(REFLEX ORANGE)
アムステルダムアクリリックカラー(TL)
リフレックス(reflex)は
名詞の場合、(光の)反射や反動運動を、
形容詞の場合は、反射作用の、や(光が)反射された、等の意味になります。
つまり、80年代に活躍したデュラン・デュラン"THE REFLEX"
邦題は「反射」か「反動」になるわけです。

その名の通り、光が反射した様なまばゆい蛍光のオレンジです。
同じアムステルダムアクリリックカラーでも近年登場した
スペシャリティ10色の中の1色です。
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画材の色名事典(オレンジ系統・その25)
2007 / 10 / 19 ( Fri )
ORANGE EARTH
オレンジアース(ORANGE EARTH)
パステルブロック パステルペンシル(以上、DW)
平たく訳せば、「オレンジ色の大地」。
土性顔料で作られた茶色の中でもオレンジ色の強い色、の意味ですが、色合いはどう見ても明るいオレンジ色です。

SPECTRUM ORANGE
スペクトラムオレンジ(SPECTRUM ORANGE)
パステルブロック パステルペンシル(以上、DW)
イギリスの化学者ニュートンが、プリズムを用いて太陽光線を分解してできた色光(=spectrum)の様な、極めて鮮やかなオレンジ色。色相的には、やや赤味寄りです。

DEEP CADMIUM
ディープカドミウム(DEEP CADMIUM)
カラーソフト(DW)
随分省略されていますが、これはカドミウムイエローの中でも深い色、の意味。
つまり、黄系統で登場する予定のカドミウムイエローディープ(CADMIUM YELLOW DEEP)とほぼ同じ意味です。
しかし、その色は明らかにオレンジ色をしています。
また、実際のカドミウムイエローディープに色調を似せているだけで、安全な代替顔料を使用している事は、言うまでもありません。
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画材の色名事典(茶系統・その50)
2007 / 10 / 18 ( Thu )
IMIDAZORONE BROWN
イミダゾロンブラウン(IMIDAZORONE BROWN)
アクアオイルカラー"DUO"(HL)
使用顔料のベンズイミダゾロン系(PBr25)が色名の由来。
このPBr25は、顔料番号を見ての通り、
茶系統の中では新しい顔料で、安全性の耐光性も高い代わりにやや高価です。
色合いは普通の茶色ですが、半透明なのが特徴です。

WARM EARTH
ウォームアース(WARM EARTH)
ドローイングペンシル(DW)
色材の世界ではアース(earth)は、土性顔料から作られた茶色を指します。
色名は、その中でも暖かい色調である事を示しています。

SANGUINE2
サンギーン(SANGUINE)
ドローイングペンシル(DW)
「血色さかん」や、「活発な」等の意味のサンギーン(サングインとも発音します)は、
染料系のコピックスケッチでは随分明るい色になっていましたが、本来はこの辺りの色合いを指します。

BROWN EARTH
ブラウンアース(BROWN EARTH)
カラーソフト(DW)
訳すと、「茶色の土」。
茶色の土性顔料を使用した茶色の事で、やや渋い焦茶色をしています。

MID BROWN
ミッドブラウン(MID BROWN)
カラーソフト(DW)
この場合のミッド(mid)は、中間、中くらいの、の意味。
つまり、明度・色相共に中くらいのブラウン、と言う事になります。
なお、同社のブラウンより若干鮮やかな色をしています。

RUBY EARTH
ルビーアース(RUBY EARTH)
ドローイングペンシル(DW)
土性顔料の茶色の中でも、特にルビーを思わせる様な深い赤みを持つ色。
組み合わせ方によっては、本当にきれいな色になりそうです。

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画材の色名事典(茶系統・その49)
2007 / 10 / 18 ( Thu )
GINGER
ジンジャー(GINGER)
カラーソフト(DW)
ジンジャー(ginger)は、ショウガの英語名。
ショウガ(生姜)はショウガ科の多年草。インドを始めとする熱帯アジアが原産地です。
大きくなった地下茎は、さわやかな香りと辛さがあり、また醤油や砂糖等、他の調味料と相性が良い事もあって、世界中で香辛料や薬味として用いられています。
欧米ではジンジャーブレッドやジンジャーエール等、主にスイーツの方面で活躍しています。
中華料理でもほとんどの料理で合わせ調味料に入っており、インドでもカレーの辛み成分として欠かせません。
そして日本でも、すりおろされて薬味になったり、甘酢漬けになったりと、あらゆる方面、形状で活躍しています。
また、栄養価はこれと言ってないものの、体を温める効用がある事から、生薬としても活用されます。甘酒や葛湯にすりおろしたショウガを入れて飲むのも、一種の民間療法です。
色は、そのショウガの地下茎の先の方をイメージした、明るい赤茶色です。

NOUGAT
ヌガー(NOUGAT)
ポリクロモス色鉛筆(FC)
ヌガー(nougat)はフランス生まれのキャンデーの一種。
水あめや砂糖を煮つめ、泡立てた卵白などを混ぜ込んで作ります。
他のフレーバーやナッツ等を入れる場合もあります。
柔らかく滑らかですが、歯に付きやすいのが玉にキズ。
それにしても、本来は白いはずですが、
ここではは黄褐色をしています。
ひょっとしたら、コーヒー味なのでしょうか。

BISTRO
ビストロ(BISTRO)
ポリクロモス色鉛筆(FC)
ビストロ(bistro)はフランス語で「ちいさな(フランス)料理屋」の意味。
本来、お客さんは一度に10人位しか入れないのだそうです。
ちなみに「SMAP×SMAP」(フジ系)の長寿コーナー
「ビストロSMAP」の場合は、ゲストは1回につき1〜2名なので、
意味が合っています。
このやや赤味の茶色は、店のレンガの色とも、ワインの色とも、
更に出される料理の色とも取れます。

PIMENTO
ピメント(PIMENTO)
カラーソフト(DW)
ピメント(pimento)は、辛くない唐辛子の一種であるピーマンのフランス語読み。
日本には明治時代に入りましたが、その際「ピメント」がなまって「ピーマン」と呼ばれる様になったと言われています。
実は始め緑色ですが、熟すと赤や黄色になり、苦味が減ります。中には紫色の物もあり、これらをまとめて「カラーピーマン」と呼びます。
唐辛子が元々南米原産のせいか、寒冷地は苦手で、日本では宮崎県が産地として知られています。
なお、子供が(特に緑の)ピーマンを苦手とするのは、子供の舌が大人よりピーマンの苦味成分に敏感に反応してしまうからで、大抵の場合、大人になるにつれ、克服できる様です。
画材の色合いは、赤ピーマンにしては、やや渋すぎる気がします。
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画材の色名事典(オレンジ系統・その25)
2007 / 09 / 07 ( Fri )
CADMIUM ORANGE
ギュスターブオレンジ(GUSTAVE ORANGE)
ギルドセット(KB)

カドミウムオレンジにフランスの写実主義の画家、
ギュスターブ・クールベ (Gustave Courbet ,1819 - 1877) を名を冠した色名。
彼は21歳の時にパリのソルボンヌ大学法学部に入学します。
しかし始めから画家を目指していた彼は、これをいい事に
ルーヴルに通っては巨匠たちの作品を模写していました。
25歳の時に3点の絵画がサロンに入選し、遅咲きながら画家としてデビューします。
1855年、現代では代表作の「画家のアトリエ」と「オルナンの埋葬」を
パリの万国博覧会に出品しようとしますが、両方とも審査に落ちてしまいます。
しかし両作品を多くの人々に見て欲しいと考えた彼は、
博覧会場のすぐ近くの建物を借り、「ギュスターヴ・クールベ作品展。入場料1フラン」
と言う看板を立ててこれらを公開しました。これが世界初の「個展」だと言われています。
また彼は、この個展の目録の案内文で「自分は生きた芸術をつくりたいのだ」と語りました。
これが後に美術史上重要とされる「レアリズム宣言」です。
クールベは実力だけなら早くから認められ、多くの傑作を残しています。
しかし芸術のみならず社会に対しても急進的な言動で
当時の保守派にとっては脅威となります。
そしてついにパリ・コミューンに参加し反乱に荷担したと言う理由で、
1870年に投獄されてしまいます。
その後何とか出獄して1877年、亡命先のスイスで58年間の生涯を終えます。
故郷オルナンの生家は現在、クールベ美術館になっています。
「オルナンの埋葬」に鮮やかなオレンジ(朱色?)の制服の司祭が登場していますが、
それよりこのオレンジ色は、過激でしたたかな彼の生涯をイメージしている様です。
なお、この色の正体はカドミウムオレンジなので、彼同様取り扱いに注意。

GLAZING ORANGE
グレージングオレンジ(GLAZING ORANGE)
ポリクロモス色鉛筆(FC)
グレージング(glazing)は、釉薬をかける、の意味。
転じて絵画の世界では多くの水や溶き油で液状に溶いた絵具を
薄く全体にかけて色調を統一する技法を指します。
色鉛筆は総じて透明度が高いのですが、
ポリクロモス色鉛筆では特に透明度の高い色に
この名称を冠しています。

VULCAN ORANGE
バルカンオレンジ(VULCAN ORANGE)
アキーラ(KB)
バルカン(Vulcan)は、ローマ神話のウルカヌス(Vulcanus)の英語名。
ウルカヌスは鍛冶屋の姿をした火の神で、その熱さ、激しさにあやかって、イギリス製の爆撃機(Avro Vulcan)や川崎製のバイク(『VULCAN』シリーズ)等、各方面でこの名が用いられています。ちなみに、日本でもファンの多いSFのスタートレック・シリーズ (Star Trek)に登場する因縁の種族、バルカン人も、こちらの表記です。
色としては、やはり火を連想させる、蛍光色寸前の鮮やかさを持つ、朱色に近いオレンジ色です。安全ですが、アキーラにしては、耐光性が低いのが玉にキズ。

瑪瑙末
めのうまつ(瑪瑙末)
鳳凰岩絵具(NA) 岩絵具(KI)
めのう(瑪瑙)は石英の微細結晶の集合体で、層状または縞状の模様のある鉱物。
赤・緑等様々な色があり、色がきれいなものは宝石として扱われます。
また、硬質なので、色が白いものは乳鉢に用いたりもします。
このめのうを砕いて岩絵具にしたのが、この瑪瑙末です。
現在では新岩絵具が主流ですが、ナカガワでは天然石を用いた瑪瑙末も入手できます。
赤味寄りの橙系の色ですが、吉祥の方が色が濃いめです。
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画材の色名事典(茶系統・その48)
2007 / 09 / 07 ( Fri )
BURNT UMBER
クラナッハアンバー(CRANACH UMBER)
ギルドセット(KB)
バーントアンバーにルネサンス期のドイツの画家、ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach der Aャltere, 1472 - 1553)の名前を冠した色名。
同名の息子も画家だった為、よくルーカス・クラナッハ(父)と表記されます。
代表作は「ヴィーナス」(1532)での独特のプロポーションは定評があります。また、宗教改革者マルティン・ルターとは友人で、「ルターの肖像」(1529)を始めとする彼の肖像画を多く残しています。
なお彼は実際に、背景等にバーントアンバーを活用している様です。

YELLOW OCHRE LIGHT
マサッチオイエロー
ギルドセット(KB)
イエローオーカーにルネサンス期活躍したイタリアの画家、マサッチオ(Masaccio, 1401 - 1428)の名を冠した色名。
ちなみにマサッチオは通称で、 本名をトンマーゾ・ディ・セル・ジョヴァンニ・ディ・モーネ・カッサーイ(Tommaso di ser Giovanni di Mone Cassai)と言います。
15世紀前半、中世・ゴシック画風の色濃く残る絵画の世界に現実的で自然な画風を持ち込み、初期ルネサンス絵画を確率させた画家の1人とされています。また、世界的に有名な壁画「楽園追放」を残す等、20数年の短い生涯の中で、巨匠と呼ばれるにふさわしい活躍をしています。
彼の作品の様な明るい画面にはイエローオーカーが下地等で不可欠です。その為、イエローオーカーに彼の名が用いられたものと思われます。

BURNT SIENNA
ルーベンスブラウン(RUBENS BROWN)
ギルドセット(KB)
バーントシェンナにフランドルの画家、ピーテル・パウル・ルーベンス(Pieter Paul Rubens, 1577 - 1640)の名を冠した色名。
彼はバロック時代のヨーロッパを代表する画家で、ドラマチックな構図や華麗な色彩等が特徴です。イタリアで宮廷画家として実力を認められ、帰国後休戦調停でフランドルが平和になったのをきっかけに、早くから成功した数少ない画家の一人です。
その一方で、多くの言語に精通していた為に、隣国オランダと戦争状態にあった故郷フランドルの和平の為に外交官としても活躍しています。
代表作はアントワープ大聖堂にある「キリストの昇架」と「キリストの降架」。これらは「フランダースの犬」で、主人公のネロが見たがっていた絵画として有名です。
彼は黒も色彩として扱ったものの、色使いにこれと言った偏りはありません。
しかし、いつの時代もバーントシェンナは絵画において絶対外せない色で、その為に生前から評価の高かった巨匠の名が選ばれたのだと思います。

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