画材の色名事典(銅系統・その3)
2016 / 06 / 24 ( Fri )
COPPER3
どう(銅)
チューブ絵具3216(UB)、他
どう(銅/J.COPPER)
ジャパネスクカラー376(TN)
銅(どう)はコパー(copper)の日本での名称。
「あかがね」とも読みます。
日本には弥生時代に鉄器と共に青銅器がもたらされた事から、純銅の使用は遅く、江戸時代には精錬技術が発展します。
そして、純度の高い銅を素銅(すあか)、不純物が多い銅を山銅(やまがね)と呼び分け、それぞれ活用する様になりました。
明治時代になると、国内での銅の生産が盛んになりますが、製錬する時に発生する猛毒の亜硫酸ガス正比例して増え、日本初の公害と言われる足尾鉱毒事件が起きてしまいます。
現在は輸入に頼っていますが、アルミニウム同様完全にリサイクルできる事から重要視されています。
色名は銅の色をイメージしています。

赤銅
しゃくどう(赤銅/J.RED BRONZE)
ジャパネスクカラー377(TN)
赤銅(しゃくどう)は、銅の別名、もしくは銅に金を3〜5%加えた合金。
日本の場合、主に後者を指します。
赤銅は仕上げの際、緑青・丹礬そして明礬等の混合液で煮て、表面に人工の錆を付けます。
すると、赤銅は青黒く発色します。 これを煮色仕上げ(にいろしあげ)・色上げ・煮色などと呼びます。
飛鳥時代に象嵌細工と共にシルクロード経由でもたらされ、奈良時代になると国内でも象嵌細工等に用いられる様になります。
銅に比べると黒ずんだ色で、「赤銅色の肌」の色も、実際は黒に近い位濃く日焼けた色の意味になります。

青銅
せいどう(青銅/J.BLUE BRONZE)
ジャパネスクカラー375(TN)
青銅(あるいは砲金)はブロンズ(bronze)の日本での名称。
銅と錫との合金で光沢があるこの金属は、日本には紀元前4世紀(弥生時代)の頃に鉄器と共に九州に伝わり、紀元前1世紀頃から国内でも生産が始まりました。錫の量が少ないと赤銅色で比較的柔軟性が高く、逆に多いと黄金色〜白銀色になり、硬度が上がる代わり脆くなります。
しかも錆びにくいと言う鉄にはない特長を持ち、日本の鋳造技術も向上した事もあり、用途に合わせ鉄器と使い分けられてきました。
なお、現在も「青銅=くすんだ青緑」と誤解する人が多いですが、この青緑の正体は緑青です。 長い年月をかけて大気に晒され続けた結果、青銅の表面に炭酸塩が生じ、これが反応してできた「錆」が緑青です。
  なお金属色の場合、銅と錫がほぼ同量の時の様な落ち着いた黄金色が多いですが、メーカーによっては色調が異なる場合もあります。



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画材の色名事典(銀系統・その3)
2016 / 06 / 16 ( Thu )
SILVER
ぎん(銀)
新日本画絵具”彩”047(HL)、他
ぎん(銀/J.SILVER)
ジャパネスクカラー380(TN)
 ぎんいろ(SILVER)
サクラクレパス53(TL)、他
銀(ぎん)はシルバー(silver)の和名。
別名を「しろがね」と言います。
原子番号47、元素記号は Ag。
紀元前3000年頃には既に使用が確認されるなど、 金属としての歴史は銅に次いで古く、その美しさから貴金属として重用されてきました。
安全な上加工し易いためその用途は広いのですが、柔らかすぎるため硬貨の様に硬度を必要とする時は、他の金属(割り金)を混ぜて合金にします。
ちなみに仁丹の銀色も本物の銀箔によるものです。
また、銀を硝酸や熱濃硫酸等で溶かすと発生する銀イオンには強い殺菌作用があり、抗菌剤や消臭剤の他、日本では公衆浴場の消毒で活躍しています。
日本もかつては対馬(長崎県)、生野(兵庫県)等良質の銀山が多くありましたが、ほとんどの山で採掘し尽くされてしまいました。
ただその内の一つ石見銀山遺跡(島根県)が2007年7月2日に世界遺産に登録され、現在は国内外から多くの観光客が訪れています。
和名も銀の鉱石や製品の色をイメージ。
大抵は金属色ですが、普通色の明灰色を指す事もあります。
金属色の場合、大抵PW20を使用しており、安全性にほとんど問題はありません。

黒銀
くろぎん(黒銀/J.BLACK SILVER)
ジャパネスクカラー381(TN)
銀は貴金属の中でも比較的化学変化しやすく、特に空気中の硫黄化合物と接触すると表面に硫化物(Ag2S)が発生、表面がいぶした様に黒ずみます。
しかしこの落ち着いた風合いが日本の美意識と合致し、むしろ白く輝く銀より愛されてきました。
いぶし銀を思わせる、日本らしい黒味の銀色です。



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16 : 21 : 00 | 画材の色名事典(金属色系統) | トラックバック(0) | page top↑
画材の色名事典(金系統・その4)
2016 / 06 / 10 ( Fri )
ジャパネスクカラーにおける、様々な色調の黄金の色群。

青金
あおきん(青金/J.BLUE GOLD)
ジャパネスクカラー370(TN)
ジャパネスクカラーでは、青味がかった黄金色を指しますが、一般的に青金と言うと、鉄を20%以上含む金銀合金を指します。
本当に青味を帯びた黄金色が特徴で、工芸品・装身具の製作に使用されます。
また、青金を「あおがね」と読むと、錫の別称になります。


赤金
あかきん(赤金/J.RED GOLD)
ジャパネスクカラー371(TN)
ジャパネスクカラーでは赤金は赤味を帯びた黄金色を意味しますが、一般的には銅を25~50%含む金銅合金を指します。
銅の割合が高い程赤みが増し、メッキ等に使用されます。
ちなみに(18Kの場合)銅を22.25%に減らして銀を2.75%混ぜるとローズゴールドに、銅を20%に減らして銀を5%加えるとピンクゴールドになります。


黒金
くろきん(黒金/J.BLACK GOLD)
ジャパネスクカラー373(TN)
ジャパネスクカラーの場合、黒金(くろきん)と読んで黒味を帯びた黄金色を指しますが、一般的には黒金(こっきん)と呼び、銀,鉛,硫黄をメインに銅,硼砂を溶融した黒色合金を指します。 フィレンツェの金細工師たちは、小さな金属(特に銀の)製品に彫刻用ノミのビュラン(en:burin)で作った窪みに黒金で色を埋め、画像にコントラストを出したそうです。
更に「くろがね」と読むと、鉄の事になります。


緑金
みどりきん(緑金/J.GREEN GOLD)
ジャパネスクカラー372(TN)
ジャパネスクカラーの場合は緑味を帯びた黄金色を指しますが、一般的には銀を20%以上(K18の場合は25%以上)銀を含む金銀合金を指します。ジャパネスクカラーの場合は緑味を帯びた黄金色を指します。
更にカドミウムが加わると、その加減で色に濃淡ができます。




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20 : 23 : 00 | 画材の色名事典(金属色系統) | トラックバック(0) | page top↑
画材の色名事典(その他の金属色・その2)
2015 / 03 / 10 ( Tue )
NICKEL
ニッケル(NICKEL)
Dr.マーチンピグメント50K(BN)
ニッケル(nickel) は、原子番号28・元素記号Niの金属元素及び金属。
名前の由来は、ドイツ語で「悪魔の銅」を意味する"Kupfernickel"。
銅鉱石に似ていながら銅を遊離できない紅砒ニッケル鉱 (NiAs) に対し、キレた坑夫たちがこう呼んだのです。
銀白色で光沢があり耐食性も高く、鉄やコバルト同様、磁石に吸い付く性質があります。
ただ、微粒子状の金属は空気中で自然発火する事があり、金属アレルギーを引き起こしやすい事でも知られています。
合金で用いられる事が多く、銅との合金の白銅(キュプロニッケル)や、その白銅に亜鉛を加えた洋白(洋銀)がメッキや硬貨を始め、幅広い用途で用いられます。
主な生産地はロシア、オーストラリア、インドネシアなど。
日本でも第二次世界大戦中、京都府与謝郡の大江山にニッケル鉱山が開発されましたが、終戦とともに閉鎖され、現在は輸入に頼っています。
色名は、そのニッケルの色調をイメージした金属色です。

PEWTER
ピューター(PEWTER)
レンブラント油絵具815(TL)、他
PEWTER2
アーチスト・オイルカラー511(WN)
ピューター(Pewter)は、錫を主成分とする低融点(約250℃)の合金で、和名を「しろめ」と言います。
始めは錫と鉛の合金でしたが、18世紀にイギリスで鉛の代りにアンチモンを加えた所、品質がめざましく向上しました。
これがブリタニアメタル(別名チューダー・ピューター)で、現在ピューターと言えば主にこれを指します。
現在の主な割合はスズ93%、アンチモン7%ですが、アンチモンの代わりに鉛や銅、そしてビスマスが加えられる場合もあります。
主に工芸品や装飾品に加工されますが、特に錫の産地としても知られるマレーシアのスランゴールド州の製品が有名で、「ロイヤル・スランゴール」のブランド名で知られています。
本来は明るい青灰色ですが、元々の金属の配合の割合が異なる様に、画材もメーカーによってかなり色に差があります。

BRASS
ブラス(BRASS)
Dr.マーチンピグメント51K(BN)
ブラス(brass)は真鍮の英名。
その真鍮(しんちゅう)は銅と亜鉛の合金で、特に亜鉛が20%以上のものを言います。
その色から黄銅とも呼ばれます。
亜鉛の還元が難しかったため、この金属が使用される様になったのは約350年前からですが、適度な強度と加工しやすさを持つ事から、様々な方面で活躍しています。
中でも金管楽器が有名で、吹奏楽部を指すブラスバンドもこれに由来します。
真鍮の色をしたイメージその色は、ゴールドより明るくはっきりしています。





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18 : 42 : 00 | 画材の色名事典(金属色系統) | トラックバック(0) | page top↑
画材の色名事典(パール系統・その2)
2014 / 12 / 29 ( Mon )
FINE PEARL
ファインパール(FINE PEARL)
ゴールデンアクリリックス190(GL)
ファイン(fine)は明るい、純粋の、きめ細かい、の意味。
滑らかな半透明の真珠光沢色です。
ただ、他のパール色と異なるのは、PW6にマイカをコーティングした特殊な顔料を使用している事。
その為に顔料番号がありません。
同製品の普通色と混色できますが、その場合普通色は少量にすると効果的です。

GOLDEN PEARL
ゴールデンパール(GOLDEN PEARL)
セヌリエオイルパステル132(SN)
ゴールデン(golden)は黄金色の、山吹色の、の意味。
オーストラリアやインドネシアで採れる南洋真珠には、実際に山吹色や黄金色の石が存在します。
他のゴールド系同様PW20で作られますが、色としてはくすみが少ない明るい黄色になります。



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22 : 09 : 00 | 画材の色名事典(金属色系統) | トラックバック(0) | page top↑
画材の色名事典(金属色群・金系統その4)
2014 / 11 / 22 ( Sat )
RICH GOLD
リッチゴールド(RICH GOLD)
デザイナースカラー561(NK) セヌリエオイルパステル114(SN)、他
リッチゴールド(IRIDESCENT RICH GOLD)
リキテックスシリーズ0145(BN)
リッチ(rich)には、「豊かな」「高価な」等の他に、「(色が)濃い」の意味もあります。
画材の場合は単に「濃い金色」の意味になりますが、実際の金は純度が高くなると色が濃くなると同時に価値も上がります。
なお、リキテックスシリーズに於いては、すべての金属色に英字表記のみ真珠光沢を意味する"iridescent"が付いています。

RENAISSANCE GOLD
ルネサンスゴールド(RENAISSANCE GOLD)
アーチスト・オイルカラー573(WN) リキテックスプライム866(BN)
ルネサンス(ルネッサンスとも; Renaissance)は元々フランス語で「再生」や「復活」の意味。
転じて、14世紀〜16世紀頃イタリアから始まり、全欧へ広まった「文芸復興」の意味で用いられる様になりました。
当時のフィレンツェの建造物や美術品に用いられていたはずの、純金に近い深い黄金色です。

RED GOLD
レッドゴールド(RED GOLD)
セヌリエオイルパステル134(SN)
レッドゴールド(RED DOLD)は、金をベースに他の金属と掛け合わせたカラーゴールドの一種。
K18(純度75%)の場合、残り25%が銅の合金を言います。
別名が多く、洋名はローズゴールド、和名は赤割りや赤金と言います。
そのレッドゴールドの色をイメージした、明るいオレンジ系の金属色です。


REDDISH BROWN GOLD
レディッシュブラウンゴールド(REDDISH BROWN GOLD)
セヌリエオイルパステル135(SN)
そのまま訳すと、赤茶色がかった金色。
本名(仏名)は"Or roux"。
このルー(roux)は元々はシチューやカレーのとろみの正体で、小麦粉をバターで炒めて作ります。
焦がさずに炒めるとホワイトルーに、程よく焦がすとブラウンルーになりますが、その内ブラウンルーの色が色名に変化した様です。
しかし英名にrouxに相当する色名が無かったので、上記の様な表示になったと思われます。
なお、カラーゴールドの中に存在するかどうかは不明です。




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14 : 32 : 00 | 画材の色名事典(金属色系統) | トラックバック(0) | page top↑
画材の色名事典(その他の金属色・その1)
2014 / 11 / 03 ( Mon )
ALUMINIUM
アルミナム(ALUMINIUM)
セヌリエオイルパステル111(SN)
アルミナム(aluminium,もしくはaluminum)はホウ素族元素の一つ。
元素記号 はAl 、原子番号は13。
日本ではアルミニウムの呼称が一般的で、よくアルミと略されます。
銀白色の軟らかい金属で、酸にも塩基にも溶解します。
また、非常に軽い事で知られ、日本人女性の髪一本と、同じ太さ及び長さのアルミ箔の重さは同じなのだそうです。
原料は鉱物のボーキサイトですが、一から生産するより飲み終えたアルミ缶等からリサイクルした方がエネルギーもコストも少なくて済むと言うメリットがあり、リサイクル資源の代表選手となっています。
熱伝導性と電気伝導性に優れ加工しやすく基本的に人体に無害の為、アルミサッシ・一円硬貨・アルミ缶等生活に欠かせない製品に幅広く活用されています。
アルミニウムの粉末は可燃物で、爆発する場合があります。
これを逆手に取って火薬類の発熱剤として使用されますが、火災の際は間違っても水をかけない様注意。
色名は、このアルミナム(アルミニウム)の色をイメージ。
セヌリエオイルパステルにおいて、シルバーの代りに採用されている明るい銀色です。

COARSE STAINLESS STEEL
コースステンレススティール(COARSE STAINLESS STEEL)
ゴールデンアクリリックス185(GL)
COARSE STAINLESS STEEL
ファインステンレススティール(FINE STAINLESS STEEL)
ゴールデンアクリリックス184(GL)
ステンレススティール(Stainless steel)はステンレス鋼の英名、もとい正式名称。
ちなみにステンレスとはステイン(stain)+レス(less)で「汚れが無い」、の意味です。
主成分の鉄(Fe)を50%以上、クロム(Cr)を10.5%以上含む事が条件です。
このクロムが空気中で酸素と結合し、酸化性の酸に強い被膜を作る為、錆びにくくなります。
但し、硫酸や塩酸等には弱い為、ニッケルを8%以上加えて補完します。
錆び止めをしなくていいので、屋外や水気のある場面で幅広く用いられます。
表面の処理によって、艶の有無や質感の違い等、仕上がりに差が出ます。
ゴールデンアクリリックスの金属色にこの合金鋼が採用されたのは、その為なのかも知れません。
色名はステンレス鋼の粒子の粗いコース(coarse)色と細かいファイン(fine)色のセット。
それもイメージ色では無く、実際にステンレスの粉末を顔料として使用しています(顔料番号は無し)。
色としては、同製品のファインシルバーよりやや濃いめです。




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