画材の色名事典(茶系統その31)
2007 / 02 / 08 ( Thu )
BURNT CARMINE
バーントカーマイン(BURNT CARMINE)
アートカラーペンシル(DW)
赤系統の色であるカーマインを焼いたらこんな感じになる、と言う、一種のイメージ色。
なお、ヴァンゴッホ ファインアートペンシルシリーズ(TL)にも同じ色名が存在しますが、向こうは濃い赤紫色をしています。

BURNT ROSE
バーントローズ(BURNT ROSE)
アートカラーペンシル(DW)
本当のバラではなく、色名としてのローズ(バラ色、もしくはピンク色)をバーントシェンナ等の要領で焼いたらこの様な色合いになるのではと言う、一種のイメージ色。
多くの色数を必要とする色鉛筆ならではの色名と言えます。

VAN DYKE BROWN
バンダイクブラウン(VANDYKE BROWN)
Dr.マーチンシンクロマティックカラー 9(BN) ムッシーニ天然樹脂油絵具(SC)、他多数
メーカーによっては「バンダイキブラウン」と表記される事もありますが、意味は同じです。
そのバンダイクとは、16〜17世紀に大活躍したフランドル出身の肖像画家アンソニー=ヴァン・ダイク(Anthony Van Dyck)の事。
彼は若い頃ルーベンスに師事し、その後7年間イタリアでさらに絵の修行をします。
1632年にチャールズ1世に招かれてイギリスへ渡り、得意の肖像画や宗教画で大成功を収めます。途中一度フランスに渡りますが、さすがにその時は失敗しています。
当時、芸術方面では不毛の地と言われたイギリスの地に芸術の花を咲かせた彼でしたが、残念ながら42歳で夭折してしまいます。
しかし彼の名前は生前愛用していた焦茶色の色名となり、現在も世界中で愛され続けているのです。

VAN DYKE BROWN HUE
バンダイクブラウン(ヒュー)(VAN DYKE BROWN(HUE))
専門家用水彩絵具(DR)
本来のバンダイクブラウンに比べると随分明るい色ですが、これは透明水彩の、しかも透明色だから。
バンダイクブラウンの本名はカッセルアース。以前お話しした通り、本来ドイツ・カッセル地方の天然土を使用した顔料の焦茶色です。この絵具の使用顔料については現在調査中ですが、何か別の顔料を代替に使用している事は間違いありません。

VAN DYKE BROWN
パーマネント バンダイクブラウン(PERMANENT VAN DYKE BROWN)
エキストラファイン オイルカラー(LB)
この色も含め、茶系統の色は概ね耐光性・耐久性は強いのですが、LB社では他社に比べても特に品質が良い事を強調する為に、永久不変を意味するパーマネント(permanent)を冠している様です。

VAN DIKE VIOLET
バンダイクバイオレット(VAN DYCK VIOLET)
ソフトパステル405〜411(SN)
暗褐色の達人と言われたヴァン・ダイクにちなんだ紫色(もとい、紫がかった茶色)。
紫は単独で用いると浮きやすい為、混色でこの様な紫色にしていたのかも知れません。
なお、セヌリエ社がフランスのメーカーのせいか、ヴァンダイクの表記が英語のVandykeではなく、本来のVan Dyckになっています。

VAN DYKE RED HUE
バンダイクレッドヒュー(VAN DYKE RED HUE)
リキテックス(BN)
こちらはヴァン・ダイクの作品に縁のある赤、もとい、赤茶色。
なお、使用顔料のPBr25は、茶系統の中では比較的新しい顔料です。大変堅牢度が高い事でしられ、本来の顔料の代替として採用されたものと思われます。


バンダイクブラウン追記:
1.ヴァン・ダイクの出身地は、ベルギーのアントワープです。
アントワープ市のあるフランドル地方はベルギー西部〜オランダ南西部、フランス北部にまたがっています。ちなみに英語読みだと、皆様もご存じのフランダースになります。

2.現在、トランスの貴公子と呼ばれるポール=ヴァン・ダイク(Paul VanDyke)と言うアーティストがいますが、(出生時)東ドイツ出身である事から、画家のヴァン・ダイクとは血縁関係は無いと思われます。
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