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画材の色名事典(赤系統・その25)

ペールレッド(PALE RED)
コミックマーカーCM4(TO)
平たく訳すと「淡い赤」の意味。
しかしその色は、決して淡くありません。
更に言うなら、同製品のトマトレッドより濃く、ファーストレッドと同じ位の濃さに見えます。

ペッパーレッド(ピメントレッド)(PEPPER RED)
ヴィトレア160(PB)
ご存知の通り、ペッパーは赤唐辛子の事。
やはり、見るからに辛そうな真っ赤です。
ちなみに()内のピメントはペッパーのフランス語読みで、
ピーマンの読み方の由来にもなっています。
所で近年、ペベオジャパンでは色名を「ピメントレッド」に
改めていますが、
英語等他の言葉の表記はそのままなので、
従来通り「ペッパーレッド」のままで良いと思うのは
私だけでしょうか。

ヘリオスレッド(HELIOS RED)
ソフトパステル(SN)
ヘリオス(ヘーリオス)はギリシャ神話の太陽神。
ギリシャ語で「太陽」を意味します。
後に、ローマ神話の太陽神ソルと同一視されます。
ヘシオドスの『神統記』によると、
曙の女神エオスや月の女神セレーネは姉妹で、
ヘリアデス(太陽神の5人の娘たち)やフェトン(パエトーン)らの父親です。
毎日4頭立ての戦車を操り、天空を東から西へ横切り、
夜間には黄金の杯に乗り換えて大河オケアノスの流れを渡り
オリンポスの東の果てにある宮殿に戻るとされています。
毎日天空の上から地上を見ている為、
アフロディーテとアレスの浮気をヘパイストスに密告する等、
情報屋として様々なエピソードに登場します。
また、盲目になったオリオンの目を治療したのも彼です。
なお、ギリシア神話のもう一人の太陽神アポロンについては、
彼の後任とする説が有力です。
当然、色名は太陽神、もとい太陽をイメージした
少し黄味寄りの鮮やかな赤です。

ペリレンブラウン(PERYLENE BROWN)
ルミナンス6901(CD)
合成顔料の中でも新参の一つペリレン系(PR179)を使用した、
茶色、もといややくすんだ深い赤。
実際、パンフレットでも一応赤系統に入っていました。

ペリレンマルーン(PERYLENE MAROON)
アキーラ(KB)
先述のペリレンブラウンと同じく合成顔料ペリレン系(PR179)を使用したマルーン。
なお、当事典の茶系統にもこの色名は登場しますが、
アキーラでは赤系統の扱いを受けています。
実際、やや渋めながら赤と呼んでいい色合いをしています。

ペリレンレッド(PERYLENE RED)
アキーラ、クサカベ油絵具(以上、KB)

専門家用水彩絵具(DR)
合成顔料ペリレン系を使用した赤の意味。
同じペリレンレッドでもクサカベ油絵具ではPR149を、アキーラはPR178を使用。
どちらも色が鮮やかな上、堅牢製・安全性に優れますが非常に高価です。
一方、デューラー・ラウニーの使用顔料は不明ですが、
一応赤系統と分かる色をしています。

ペルシャンレッド(PERSIAN RED)
ソフトパステル(SN)
ペルシャン(Persian)はペルシャの、の意味。
そのペルシャ(Persia)はイランの旧称。
ちなみに1935年に現在の国名であるイランに改名しています。
そのペルシャの茜染めの高級織物の名前が
スカーレット(SCARLET)の起源とされており、
つまり、この色名はスカーレットの別称と
呼んでいいのかもしれません。
先述のヘリオスレッドに近い黄味寄りの赤ですが、
こちらの方が透明度が高いのか、
早い段階で色が白っぽくなっていきます。

ポピーレッド(POPPY RED)
ネオピコ2 513(SE) プリズマカラー(WS)
ポピー(poppy)はケシやヒナゲシ等ケシ属の植物の総称。
色名はその花の色を思わせる鮮やかな黄赤で、
フランスの国旗の赤の色とされています。
原産地については地中海沿岸説がありますが、詳しい事はわかっていません。
耐寒性の強い一年草で、世界各地で自生または栽培されています。
その中のケシは高さ約1〜2mで、花の色は赤・白・青で
他のケシ属と違い黄色やオレンジ色はありません。
果実に内包された乳液から痛み止めであるモルヒネと
麻薬の一種であるアヘンが採れます。
その為、日本等多くの国で許可無く栽培はできません。
しかし発芽しない種は取り扱いに制限がなく、
油絵具(主に白や淡い色)のバインダーになるポピーオイルを採ったり、
炒って食用に用いたりします。
一方、ヒナゲシはヨーロッパでは死んだ人の流血から生えるとの言い伝えがあり、
中国でも秦の末代の武将、項羽の愛人で自害した虞にちなみ
「虞美人草」と呼ばれる等、物騒なエピソードが多いのですが、
麻薬になる成分を含まない上、花の色も豊富なので
園芸用に栽培されたり、やはり種が食用になります。
あんパンの上に乗っているのは、実は炒ったヒナゲシの実です。

ボルドーレッド(BORDEAUX RED)
アーチスト色鉛筆(HL)
ボルドー(Bordeaux)は、フランスの南西部の都市、
またはそこで採れるワインの事を指します。
この町は紀元前300年に創設され、始めはブルティガラと呼ばれました。
紀元前1世紀にローマに占領されて主要な交易港となり、商業地として栄えました。
それ故北欧の海賊バイキングやイングランドに攻め入られる事がありました。
また、第一次世界大戦や第二次世界大戦の時も
臨時にフランス政府が置かれましたが、後者ではドイツ軍に占領されてしまい、
1945年4月、ようやく連合軍の手によって解放されました。
ワイン生産の歴史は古く、紀元が始まった頃に遡ります。
しかし色名になったのは遅く、19世紀になってからです。
色名はボルドーだけでも紫がかった濃い赤を意味しますが、
ここでは色系統を強調するレッドが付け足されています。
なお、色合いは先述のバーガンディーよりやや明るめで、濁りが少ないです。
赤系統の補完ですが、あまりにも色数が増えたので
こちらに移動させ、前後編に変えました。
ヘリオスレッド追記:
ギリシャ神話において彼も有名な太陽神ですが、
息子のフェトン(パエトーンとも)も有名です。
ギリシャ神話によると、ある日フェトンは、友人達から
「お前ヘリオス様の子じゃないだろう」とバカにされてしまいます。
怒った彼は自分がヘリオスの息子であることを証明すべく、
無断で太陽の戦車を操縦してしまいます。
しかし、過去に乗った経験のない彼は案の定操縦に失敗し、
太陽の馬車は軌道を外れて暴走。大地を焼いてしまいます。
この時あまりにも地上に近付き過ぎた為に、
砂漠が数多く作られ、ナイル川も砂漠の中を流れる様になったり、
火災を逃れたエチオピア民族の肌の色が黒くなったりしたと言われています。
それを見て危機感を持ったゼウスが雷を放ち、暴走を止めますが、
雷に打たれたフェトンはエリダヌス川に墜落し、亡くなってしまいます。
彼の姉達は号泣した後、ポプラの木になってしまいます。
父ヘリオスも悲しみにくれ、息子の遺体を白鳥座にして天に上げたと言われています。
またフェトンの最期の地エリダヌス川も星座になっっています。
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